抄録
約4時間の時間間隔で撮影した気象衛星エッサ7号と8号の写真に現われた済州島風下のKarman鋤うず列状の雲を解析した結果,次のことがわかった.
雲のうず列から得られた無次元パラメーターは,これまで2次元流の流体実験から得られたKarman鋤うず列発生の限界値を満足しており,Karmanうず列の理論で説明できる.島の抵抗とうず列のwakeによる抵抗を考慮して,うず列の間隔と個々のうずの間隔の比だけから,うず列の移動速度を求める計算式を導いた.結果実況とかなりよく合い,比が0.332のとき.一般流の約76%であった.
済州島の風下に,このような雲のうず列のできるのは,晩秋から初春にかけて,比較的強い(10ノット以上)北風が持続し,1000m付近(島の中央部の山の高さの半分)に顕著な逆転のある時である.