抄録
この論文は地表面における短波長放射収支量(収支量=地表面に入る量-地表面より出る量)と全(短波長+長波長)放射収支量との関係についての有用な統計的,記述的指数として最近提出され,発展させられてきた二つのパラメーターを理論的,実験的に詳細に研究したものである.この二つのパラメーターとは地表面の全放射収支量の増加に対する地表面の長波長放射収支量の減少率を表わす「加熱係数」と地表面の短波長放射収支量の増加に対する地表面の長波長放射収支量の増加率を表わす「長波長放射交換係数」とよばれるものである.
研究の結果,これらの両係数とも統計的にも記述的にも不適当であること,さらに上記のパラメーターがめざしていることを満足させるパラメーターは他にもないであろうことがわかった.