抄録
粗い格子間隔で掩つた領域の一部を細かい格子間隔で計算する,いわゆるNesting fine meshは局所的にではあるが,経済的に分解能を高め得ると云う点で注目されてきた.特にプリミティブ方程式モデルの場合は境界値設定の面倒をさける意味からも有用であろう.
そこでNesting fine meshに適用した計算方式の安定性を順圧モデルを用いて調べてみた.積分に使用した格子系は南北が壁面,東西がサイクリックにつながった領域の半分を粗い格子(ΔS=600km,Δt=20min),半分を細かい格子(Δs=300km,Δt=10min)で掩つたもので,中央と両端で異なる格子系が接続されている.
この場合,両域を結ぶ境界上の点においても内部と同じ差分式で計算し,従属変数は荷重平均を用いた.時間積分についてはtime levelを等しくする要素を用いて計算した.
10日間の数値積分に対して計算は順調に行こなわれ,total mass,total energyの変動は振動型で一方的に増減することはない.
計算されたパターンも境界附近を除いては,それぞれ対応する格子系のみを用いて計算した結果と殆んど同じであ