抄録
これ迄報告された種々の粒度分布式について,ある直径区間内に入る雨滴,雪片及び霰の融解滴の占める含水量の分布を調べると,分布は正規分布によって近似することができた.前に報告した九州での観測及び数値実験で見られる平坦な粒度分布に対しても同様な結果が得られた.新らしく得られた分布によって計算される各種の降水パラメータZ(レーダ反射因子),R(降水強度),M(含水量)などは実際の粒度分布より得られる値の±10%以内にあり,新分布式は実用的には十分な粒度分布式となりうる.
新粒度分布式は粒子の平均直径Dとその標準偏差σ,及び含水量Mの三つのパラメータをもっている.このうちσ,Dは降水タイプに依存しており,降水タイプ毎に例えばパラメータRでそれぞれ表現できそうであるが,現在のところ種々の粒度分布に対応する降水タイプの詳しい分類が明らかでない.そこでR,Z,及びN(降水粒子フラックス;個々の粒子の大きさを知る必要がない)の観測値があれば直ちにD,σ,Mを決定できる方法を示した.