気象集誌. 第2輯
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都市域における大気中のエアロゾル粒子の凝結核としての不活性度
大谷 健小野 晃
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1981 年 59 巻 4 号 p. 452-461

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抄録
都市のエアロゾル粒子が,有機物の効果により,凝結核としてどの程度不活性化されているかを明らかにするために,縦型熱拡散チャンバーとインパクターを用いて実験的研究を行なった。約1%以下の過飽和度下でゆっくり成長するか,あるいは全く成長しない不活発な粒子を,活発な粒子から分離して捕集した。そして透過電子顕微鏡を用いて1これら不活発な粒子の濃度を参照試料の粒子の濃度と対比させた。ところが,不活発な粒子は'ほとんど見い出されなかった。この結果は,有機物の汚染がかなりあると考えられている都市においてさえも,ほとんどの大気中のエアロゾル粒子は凝結核として極度には不活性化されていないことを示している。
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