高い煙突への落雷の雷撃速度の測定

抄録

高い煙突からの上向きストリーマーで始まる2個の対地放電(放電G-20およびG-22)に対して,光学的な検出器を用いて雷撃速度を測定した。放電G-20,G-22ともに,矢型先駆が光信号と電界変化の両方で確められた。放電G-20では,先駆放電の速度は下向きで9×10⁶m/sである。また放電G-20では,帰還雷撃の前に17個のパルス性の光信号が上向きストリーマーの進展に伴い観測された。矢型先駆に続く3個の帰還雷撃の解析の結果,帰還雷撃の進展はいずれも上向きで,速さ1.2×10⁸m/sから2.2×10⁸m/sの範囲である。