気象集誌. 第2輯
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航空機観測のための化学螢光法オゾン測定器
近藤 豊小島 浩鳥山 哲司森田 恭弘高木 増美W. A. Matthews
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1987 年 65 巻 5 号 p. 795-802

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抄録

エチレンーオゾンの化学蛍光法によるオゾン測定器を改修して,サンプル空気及びエチレンの流量を外気圧に無関係に一定に保てるようにした。
この測定器の特性を実験室で詳しく試験した結果以下の事が判明した。(1)測定器の感度はサンプル大気の質量流量により大きく変わる。(2)エチレン質量流量に対する感度依存性はこれに比べかなり小さい。(3)ゼロレベル及び直線性からのずれから生じる測定誤差は1 ppbv より小さい。(4)1000から500mbの間での感度の変化は小さいが,500mb以下では測定した校正値に基づく補正が必要となる。その補正は400mbでは約10%である。
この測定器を用いて高度6kmまでのオゾンの航空機観測を行った。このとき流量制御系は流量を3%の精度で一定に保った。この観測で得られたオゾン濃度も報告する。

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