抄録
Palmer et a1.と Lindzenにより開発された内部重力波動抵抗の方式を日変化する中間圏大気のモデルに取り入れた。このモデルは地面から100kmまで及ぶ。この二方式の合成的な影響によりモデル平均流と温度が観測値とより良く合うようになった。特に冬半球の下部成層圏が20°K昇温し、以前のcold biasがかなり更正された。
Palmer et al.の方式は地形により励起された重力波に基き、誘起されたgravity wave stressを地表から下部熱圏にかけて追跡することが可能である。多数の地域における結果はかなり多様な高度分布を示し、wave stressは通常は下部成層圏や中間圏で吸収される。しかし、ある場合にはこの吸収は中間圏のみで起った。Wave stressが部分的に吸収される高度でこのstressに顕著な日変化と半日変化が潮汐変動に強制されて起き、従って重力波一潮汐相互作用はこのモデルで容易にsimulateされた。この方式の主な限界は広大な海面上で発生する波動抵抗が特に南半球で欠乏することである。
Lindzenの方式では上方伝播する重力波の砕波高度が判定されるだけであり、この高度は通常は上部中間圏にあるので下層のwave stressの分布に関する情報が得られない。この方式は地表のすべての点で利用できるという利点があるが、モデルの各点では時間的にかなり断続的である。砕波高度は風の分布に非常に敏感である。この風の分布の日変化は潮汐の影響でモデルの中間圏と熱圏で非常にはげしい。この結果重力波抵抗に対応する変化が起こり、重力波-潮汐相互作用も Lindzen方式でsimulateできる事が示される。