抄録
WCRP/OMLETの一環として、本州南方海域において船舶上で大気と海洋との運動量•熱•水蒸気の交換量を過相関法によって直接測定した。風速成分については動揺補正した結果、約50回のRunについて乱流輸送量を求めることができた。大気安定度は中立ないし弱い不安定で顕熱輸送量は最大でも60W/m2と小さく、潜熱輸送量については最大200W/m2程度であった。
これら渦相関法で求めた乱流輸送量からバルク係数を求めた結果、弱風時にはCD=1.04×10-3、CH=1.79×10-3、CE=0.94×10-3という値が得られた。抵抗係数、CDの値は風速とともに増大し、これまでの他の研究結果を裏付ける形となった。一方、CHとCEは強風時に大きな違いが見られた。