気象集誌. 第2輯
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船舶を用いた海洋上での乱流輸送量の直接測定
塚本 修大滝 英治石田 廣史堀口 光章光田 寧
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1990 年 68 巻 2 号 p. 203-211

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抄録
WCRP/OMLETの一環として、本州南方海域において船舶上で大気と海洋との運動量•熱•水蒸気の交換量を過相関法によって直接測定した。風速成分については動揺補正した結果、約50回のRunについて乱流輸送量を求めることができた。大気安定度は中立ないし弱い不安定で顕熱輸送量は最大でも60W/m2と小さく、潜熱輸送量については最大200W/m2程度であった。
これら渦相関法で求めた乱流輸送量からバルク係数を求めた結果、弱風時にはCD=1.04×10-3、CH=1.79×10-3、CE=0.94×10-3という値が得られた。抵抗係数、CDの値は風速とともに増大し、これまでの他の研究結果を裏付ける形となった。一方、CHとCEは強風時に大きな違いが見られた。
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© 社団法人 日本気象学会
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