気象集誌. 第2輯
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条件付き加熱下でのWave-CISKの水平スケール選択と伝播
Timothy J. DunkertonFrancis X. Crum
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1991 年 69 巻 4 号 p. 449-458

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抄録
熱帯域に見られるスパークラスターや季節内振動の数値モデルの結果を理論的に解釈することを目的として、条件付き加熱(上昇域にのみ加熱が存在)下での赤道wave-CISKの簡単な幾つかの場合について解析的な解を求めた。条件付き加熱下では、非粘性の場合には一つの無限小幅の上昇加熱域を持つ解が一•番不安定度が大きい。水平スケール選択や伝播の機構について、evaporation-wind feedback、多重鉛直構造、水平拡散を取り入れ議論した。前者2つの機構は伝播を可能とするが、水平スケールの選択は行われない。水平拡散は、それがない場合の連続的な解の存在(任意の水平スケールの上昇域を持つものが解として存在)を不可能とし、唯一の水平スケールと伝播速度が決定される。ここで得られた結果は観測されている季節内振動の階層構造とは異なっている。
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© 社団法人 日本気象学会
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