気象集誌. 第2輯
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板状雪結晶の落下運動の観測第1部:雲粒付でない結晶の自由落下パターンと速度変動
梶川 正弘
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1992 年 70 巻 1 号 p. 1-9

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抄録
雲粒付でない板状の雪結晶について、自由落下パターンと落下速度の鉛直および水平成分の変動を立体写真法で観測した。
それらの結晶が安定な落下運動を示すかどうかは、主として平均落下速度に関するベスト数と無次元慣性モーメントに依存する。
不安定落下のパターンは、非回転、振動および回転またはらせんの3つに分類された。樹枝状結晶については、これらの型は無次元慣性モーメントと平均落下速度に関するレイノルズ数の組み合わせで区分される。
樹枝状結晶の場合には、鉛直成分の変動の標準偏差は非常に小さかったが(平均落下速度の1ないし3%)、水平成分の変動の標準偏差はかなり大きかった(平均落下速度の5ないし20%)。従って、ほぼ同じ形とサイズを持つ板状結晶の不規則集合過程においては、落下速度の水平成分の変動が重要な役割をしていると考えられる。
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© 社団法人 日本気象学会
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