抄録
局地的な気候を解析するため、局地気候モデルの開発を行った。局地気候モデルを作るためには、狭領域モデルを長時間積分する必要がある。まず、ファインメッシュモデル(FLM)を全球解析(GANL)の中にネスティングさせ、長時間積分を試みたが、GANLと位相の差を生じ、境界付近からノイズが発生した。そこで、横の境界だけでなく、波数空間に置いても外側のモデルとの結合を行う波数空間結合(SBC)を用いる事にした。この方法により、外側のモデルと内側のモデルの位相が合い、境界でもなめらかにつながり、ノイズが発生する事無く長時間積分する事が出来た。
次に、内側のモデルに取り込む臨界波数(Nc)により予報結果がどの様に影響を受けるかを調べた。その結果、Nc=1の場合、境界で外側のモデルとのギャップはないが、東西方向の位相のズレが大きい事がわかった。
またモデルによる降水量を観測結果と比較すると、スペクトル境界法を用いる事で改善された。