寒気循環を伴う重力流

抄録

寒気循環を伴う重力流を2次元模型を使って解析的に調べた。任意の渦度分布に対して、重力流の伝播速度と厚みは共に寒気循環の方向には影響されない事が分かった。特に寒気および暖気の渦度が小さい場合に就いて、伝播速度と厚みを具体的に計算した。結果は次の事を示した。寒気循環の方向に拘らず、伝播速度と厚みは寒気の渦度(の絶対値)によって増加する。又、地表面での値に相対的な暖気の流速の鉛直積分が正の場合には、伝播速度と厚みは暖気の渦度に依っても増加するが、これは既に知られている結果に矛盾しない。