抄録
マイクロ波リモートセンシングや放射データ同化への応用のため、高速且つ精密な放射伝達モデルを開発した。任意方向の放射強度を形式解で表現し、その際、散乱源関数はHenyey-Greenstein散乱位相関数を用いた4-stream discrete ordinate法により求めた。このモデルの精度について、Mie散乱位相関数を用いた偏光を含む32-stream discrete ordinateモデル、及びHenyey-Greenstein散乱位相関数を用いた偏光を含まない32-stream discrete ordinateモデルとの比較により調べた。このモデルはマイクロ波リモートセンシングやデータ同化への実用に十分な高速性と精度を有し、偏光を含む精密な32-streamモデルと比較した場合、誤差は3K以内であった。また、2-stream Eddingtonモデルと比較した結果、特に氷雲がある場合はEddingtonモデルにより精度が良いことがわかった。