気象集誌. 第2輯
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TOGA-COARE IOP期間中に熱帯対流圏下層で観測された周期1~2時間の擾乱
重 尚一
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1999 年 77 巻 6 号 p. 1123-1136

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抄録

TOGA-COARE IOP期間中に連続稼働したウインドプロファイラーによって観測された鉛直流データを用い、熱帯対流圏下層の周期1-2時間の擾乱を検出した。鉛直流の平均振幅が約0.1ms-1以上で、かつ数時間継続する7事例が確認された。
その内の1993年1月7日にKapingamarangi(1.1°N,154.8°E)で観測された周期60分で継続時間が6時間の1事例について詳しく解析した。観測された擾乱を重力波と仮定すると、鉛直波長は5.4~7.6kmで、水平波長は24~37kmであると推定された。さらに、この擾乱は、衛星画像と高層データの解析によって、Kapingamarangiから東南東約400kmにあった線状メソスケール対流系によって励起され、対流圏内に形成された導波管内を水平伝播してきたと示唆された。

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