“家族と内観”につき, 癒しとしての立場から, 日本内観学会における今日 (第15回大会) までの足跡を, 概説した。
その際, 今後の一層の展開へとも寄与すべく, 流れに随って大きく次の四段階に分け, 把えてみた。
(1) 母親自身の内観による“母なるもの”の発現を通しての癒し的効用。
(2) 内観を通しての“父なるもの”の回復とその意義。
(3) 家族全体を癒しの単位とする観点にむけての展開。
(4) 視界の拡大, 及び統合にむけて。
なお. (4) 節では, 各々“多世代間伝達概念の導入”, 及び“家族過程とI・P独自の個別化過程の双方を統合する観点の必要性”に焦点をあて, 述べた。