2004 年 10 巻 1 号 p. 35-41
小論は、第26回日本内観学会のパネルディスカッションで発表した内容を下敷きにして、それに若干の加筆と修正を加えたものである。パネルディスカッションのメインテーマは、企画者から与えられたものであるが、筆者には表題に示したようなタイトルが必要であった。これまで「内観」は、主として内観研修所のような場でおこなわれるとき、内観法と呼ばれ、病院などで心理療法として用いられるときに内観療法と称されてきたようであるが、ここでは内観法と内観療法の用語の検討を通して考察した。
ところで、ここで採用した心理療法の視点とは、臨床心理士の河合隼雄によって分類された心理療法の視点のことであり、それを参考にしながら、「内観」の検討を試みた。
ちなみに、小論では、「内観」という言葉を内観法と内観療法を包含するものとして用いている。