2013 年 7 巻 1 号 p. 3-10
【緒言】脳動脈瘤塞栓術において,血管分岐が急峻でバルーンカテーテルの挿入が困難な場合,他のカテーテルを先行させバルーンカテーテルを追随させる“sheep technique”が知られている.【症例1】70歳,男性.未破裂中大脳動脈瘤で,右M2の分岐が急峻でバルーンカテーテル挿入が困難であり,sheep techniqueを用いてバルーン併用塞栓術を行い完全閉塞を得た.【症例2】71歳男性.破裂左内頚動脈分岐部瘤で,同様にsheep techniqueを用いてACAにバルーンカテーテルを誘導し良好な塞栓を得た.【結論】脳動脈瘤塞栓術において“sheep technique”が有用であった2例を報告した.