2025 年 22 巻 2 号 p. 1-10
目的:助産師が産後2週間の健康診査(以下産後2週間健診とする)実施時に,初めて子育てをする母親にメンタルヘルス支援が必要であると判断する手がかりについて明らかにする.
方法:産後2週間健診を担当する助産師を対象に,半構造化面接調査を実施し,質的記述的に分析した.
結果:研究参加者は,13名であった.産後2週間健診を担当する助産師が,初めて出産した母親にメンタルヘルス支援が必要であると判断する手がかりは,【いつもと違う身なり】,【荷物の整理や準備状況】,【母親の表情と発話傾向】,【サポート授受関係】,【子どもへの気持ちの向け方】であった.
結論:助産師は,産後2週間健診実施時に,エジンバラ産後うつ病質問票(EPDS)を用いて母親のメンタルヘルスをアセスメントしているが,このEPDSの結果と共に,母親が健診に入って来た時から,いつもと違う身なりや,付き添いの状況を観察し,会話や子どもへの対応を通してメンタルヘルス支援の必要性を探っていた.これら手がかりは,妊娠期から分娩・産褥期と切れ目ない支援による対象理解を通して,メンタルヘルス支援の必要性の的確な判断に結びつくものと思われ,助産師主導の継続ケアの更なる推進が望まれる.