自然言語処理
Online ISSN : 2185-8314
Print ISSN : 1340-7619
ISSN-L : 1340-7619
論文
評価表現と文脈一貫性を利用した教師データ自動生成によるクレーム検出
乾 孝司梅澤 佑介山本 幹雄
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 20 巻 5 号 p. 683-705

詳細
抄録

本論文では,レビュー文書からクレームが記述された文を自動検出する課題に対して,従来から問題となっていた人手負荷を極力軽減することを指向した次の手続きおよび拡張手法を提案する:(1) 評価表現と文脈一貫性に基づく教師データ自動生成の手続き.(2) 自動生成された教師データの特性を踏まえたナイーブベイズ・モデルの拡張手法.提案手法では,大量のレビュー生文書の集合と評価表現辞書が準備できれば,クレーム検出規則の作成・維持・管理,あるいは,検出規則を自動学習するために必要となる教師データの作成にかかる人手負荷は全くかからない利点をもつ.評価実験を通して,提案手法によって検出対象文の文脈情報を適切に捉えることで,クレーム文の検出精度を向上させることができること,および,人手によって十分な教師データが作成できない状況においては,提案手法によって大量の教師データを自動生成することで,人手を介在させる場合と同等あるいはそれ以上のクレーム検出精度が達成できることを示した.

著者関連情報
© 2013 言語処理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top