自然言語処理
Online ISSN : 2185-8314
Print ISSN : 1340-7619
ISSN-L : 1340-7619
論文
日本語の読み時間と節境界情報―主辞後置言語における wrap-up effect の検証―
浅原 正幸
著者情報
ジャーナル フリー

2019 年 26 巻 2 号 p. 301-327

詳細
抄録

本論文では,リーダビリティ評価を目的として,日本語テキストの読み時間と節境界分類の対照分析を行う.日本語母語話者の読み時間データ BCCWJ-EyeTrack と節境界情報アノテーションを『現代日本語書き言葉均衡コーパス』上で重ね合わせ,ベイジアン線形混合モデルを用いて節末で,どのように読み時間が変わるかについて検討した.結果,英語などの先行研究で言われている節末で読み時間が長くなるという wrap-up effect とは反対の結果が得られた.他の結果として,節間の述語項関係が読み時間の短縮に寄与することがわかった.

著者関連情報
© 2019 一般社団法人 言語処理学会
前の記事 次の記事
feedback
Top