自然言語処理
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一般論文(査読有)
ニューラルモデルとタブロー法を用いた自然言語推論
佐治 礼仁高尾 大樹加藤 芳秀松原 茂樹
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2023 年 30 巻 2 号 p. 632-663

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抄録

自然言語推論 (NLI) は,2 つのテキストの間に成り立つ推論的関係を同定するタスクである.近年,ニューラルモデルに基づくアプローチが高い正答率を達成している.しかし,このアプローチに基づくNLIは,判定結果に至る過程や理由を説明する能力を有していないという問題がある.一方,NLI では以前より,記号操作に基づくアプローチが提案されてきた.このアプローチは,推論の論理的な過程を明示でき,推論の根拠を示すことができるものの,語の意味的知識や常識的な知識を十分に備えることは容易でなく,高い推論性能の達成は難しいという問題がある.そこで本論文では,タブロー法とニューラルモデルを組み合わせた手法を提案する.タブロー法は,推論規則の適用に基づく論理式の分解,及び,論理式への真偽値割り当てが存在するか否かの検査から構成される.本手法ではこのうち,真偽値割り当ての検査にニューラルモデルを用いる.なお,タブロー法では通常,論理式を操作対象とするのに対し,本手法では依存構造を対象とする.依存構造を用いることにより,ニューラル NLI モデルをタブロー法アルゴリズムに組み込むことが可能となる.提案手法の論理的整合性を検証するために,手法をモデル理論的に定式化し,その理論的性質を明らかにした.また,SNLI コーパスを用いて推論実験を行い,本手法による推論過程の明示可能性を検証した.

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© 2023 一般社団法人 言語処理学会
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