抄録
本稿では, 国語辞典の見出し語を定義文の主辞で置き換えることによって用言の言い換えを行う方法を提案する. この際, 見出し語の多義性解消, 定義文中で主辞とともに言い換えに含むべき項の決定, 用言の言い換えに伴う格パターンの変換などを行う必要があり, これらを国語辞典の情報だけで行うことは不可能である. そこで, 大規模コーパスから格フレームを学習し, 見出し語と定義文主辞の格フレームの対応付けを行うことにより, これらの問題を解決する方法を考案した. 220文に対する実験の結果, 77%の精度で日本語として妥当な用言の言い換えが可能であることがわかった.