抄録
日本人英語学習者が書いた英文に多く見られる冠詞の誤りや単数/複数の使い分けに関する誤りを検出するためには, 名詞の可算/不可算の判定が重要である.そこで, 本論文では, 文脈情報に基づいた英語名詞の可算/不可算判定手法を提案する.提案手法では, 決定リストを用いて可算/不可算の判定を行う.決定リストは, 判定対象となっている名詞の可算/不可算の例からなる学習データから学習される.一般に, 学習データの作成は人手で行われるため, 費用と時間を要するという問題がある.この問題を解決するため, 本論文では学習データをコーパスから自動生成する手法も提案する.従って, 提案手法では, コーパスが与えられると決定リストの学習が行われる.学習された決定リストは, 文脈情報のみに基づいて可算/不可算の判定を行うため, 上記誤りの検出に応用可能である.実験の結果, 提案手法の可算/不可算の判定精度は83.9%であることが確認された.