自然言語処理
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連想メカニズムを用いた時間判断手法の提案
土屋 誠司奥村 紀之渡部 広一河岡 司
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2005 年 12 巻 5 号 p. 111-129

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抄録

我々は, 人間と自然な会話を行うことができる知的ロボットの開発を目標に研究を行っている.人間は会話をする際に意識的または無意識のうちに, 様々な常識的な概念をもって会話を展開している.このように会話文章から常識的な判断を行い, 適切に応答するためには, ある語から概念を想起し, さらに, その概念に関係のある様々な概念を連想できる能力が重要な役割を果たす.本稿では, ある概念から様々な概念を連想できるメカニズムを基に, 人間が行う常識的な判断の一つである時間に関する判断を実現する方法について提案している.日常的な時間表現に着目し, 基本的な常識知識を事前に与え, 知識として持っていない多くの未知の表現にも対応できる柔軟なメカニズムの構築を実現している.結果としては, 時間判断システムの正答率が約69.4%, 精度が約81.6%の割合で人が行う判断結果と一致しており, 二段階未知語処理手法を用いた時間判断システムは有効なシステムであるといえる.

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