抄録
本稿では, 格フレームに基づき構文・格解析を統合的に行う確率モデルを提案する.格フレームは, ウェブテキスト約5億文から自動的に構築した大規模なものを用いる.確率モデルは, 述語項構造を基本単位とし, それを生成する確率であり, 格フレームによる語彙的な選好を利用するものである.ウェブのテキストを用いて実験を行い, 特に述語項構造に関連する係り受けの精度が向上することを確認した.また, 語彙的選好がどの程度用いられているかを調査したところ, 60.7%という高い割合で使われていることがわかり, カバレージの高さを確認することができた.