自然言語処理
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日中機械翻訳における存在表現の翻訳処理について
王 軼謳池田 尚志
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2007 年 14 巻 5 号 p. 65-105

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抄録
存在文はいかなる言語にも存在し, 人間のもっとも原始的な思考の言語表現の一つであって, それぞれの言語で特徴があり言語により異なりが現れてくる.存在表現の意味上と構文上の多様さのために, 更に中国語との対応関係の複雑さのために, 日中機械翻訳において, 曖昧さを引き起こしやすい.現在の日中市販翻訳ソフトでは, 存在表現に起因する誤訳 (訳語選択, 語順) が多く見られる.本論文では, 日中両言語の存在表現における異同について考察し, 日中機械翻訳のために, 日本語文の構文特徴, 対応名詞の属性, 中国語文の構文構造などを利用して存在動詞の翻訳規則をまとめ, 存在表現の翻訳方法について提案した.これらの翻訳規則を我々の研究室で開発している日中機械翻訳システムJaw/Chineseに組み込んで, 翻訳実験を行った.更に手作業による翻訳実験も加えて, この規則を検証し, 良好な評価を得た.
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