抄録
コンピュータとの人間らしい会話のために, 代表的な応答事例を知識として与え, 文章の可変部を連想によって変化させることができれば, より柔軟で多種多様な会話ができると考えられる.しかし, 機械的な語の組み合わせに起因する一般的に見て不自然な語の組み合わせの応答を生成する恐れがある.本論文では, 機械的に作成した応答文の内, 名詞と形容語の関係に注目し, 違和感の有無の観点からその関係を整理することで, 形容語の使い方の知識構造をモデル化する.更に, その知識構造を用いて, 合成した会話応答文中の違和感のある組み合わせの語を検出する手法を提案する.本稿の手法を用いることで, 形容語の違和感のある使い方の判定に関し, 87%の高い精度を得, 有効な手法であることを示した.