抄録
日韓機械翻訳を研究している多くの研究者らは両国語の文節単位の語順一致のような類似性を最大に生かすため, 直接翻訳方式を採択している. しかし, 日本語と韓国語の述部問には, 対応する品詞の不一致, 局部的な語順の不一致, 活用ルールの不一致, 時制表現の不一致などが解決しにくい問題として残っている. 本稿では述部表現の不一致を解決するため “様相テーブルに基づいた韓国語の生成方法” を提案し, それに対して体系的な評価を行なう. この方法は述部だけを対象にする抽象的で意味記号的な様相資質をテーブル化し, 両国語の述部表現のPIVOTとして用いることにより, 述部の様相表現の効果的な翻訳を可能とする. 朝日新聞と日本語の文法本から抽出した2, 338個の例文を対象に述部の翻訳処理を試みた結果, 約97.5%が自然に翻訳され, 述部翻訳の際, 本方法が有効であることが確認できた.