自然言語処理
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構文解析と融合した階層的句アライメント
今村 賢治
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2002 年 9 巻 5 号 p. 23-42

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抄録

本稿では, 機械翻訳知識の自動獲得を目的とした, 2言語の対訳文の階層的句アライメントについて提案する. 従来提案されてきた句アライメント方法は, いずれも構文解析結果を取得したのちに, 部分木同士の対応をとるものであった. 本稿で提案する方式は, 構文解析器が持つ部分解析結果を句対応スコアと呼ぶ構造類似性評価尺度で評価し, 前向きDP後ろ向きAアルゴリズムを用いて最適な組み合わせを探索する. この方式を用いることにより, 実験では従来手法に比べ2倍の同等句を得ることができ, そのときの精度の低下はほとんどないことが観察された.
また, 本提案方式は単語アライメントを用いる. この単語レベルの対応は, 内容語のみでなく, 機能語間対応を含めた方が句アライメント精度が向上する. その一般形として, 本方式に適合した単語アライメントは, 再現率重視のものが望ましいことを併せて示す

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