Oncoplastic Breast Surgery
Online ISSN : 2432-4647
ISSN-L : 2432-4647
原著
ティッシュエキスパンダーの長期留置についての検討
山下 昌宏澤泉 雅之前田 拓摩棚倉 健太宮下 宏紀松本 綾希子岩瀬 拓士大野 真司
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2016 年 1 巻 1 号 p. 25-31

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抄録

 ティッシュエキスパンダー (以下TE) の留置は, さまざまな要因により延長される場合がある。今回われわれは留置が2年以上経過した症例を長期例とし, 期間, 要因および合併症を検討した。2006年1月から2012年12月の期間に TE を挿入した一次乳房再建例は740例であり, このうち長期例は30例 (4.1%) であった。長期留置30例の関連合併症は破損が4例 (13%) で, いずれも生理食塩水の漏出が緩徐な slow puncture であった。ほかに入れ替えを要する感染等は認められなかった。

 長期留置の要因としては, 化学療法の影響やその合併症等が多数を占めたが, 他疾患の合併や患者事情により延期せざるを得ないことがある。その結果, TE の破損率は上昇すると予想されるが, 合併症によって緊急な処置を迫られるものではなく, 患者への IC を含め状況に応じた対応が必要である。

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© 2016 一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
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