2022 年 7 巻 3 号 p. 61-68
本邦における皮膚温存乳房全切除術 (SSM) または乳頭乳輪温存乳房全切除術 (NSM) 後の局所再発に関しては, まだまだ不明な点が多い。そこで今回われわれは, 当院で原発性乳癌に対し, SSMまたはNSMに対して一次再建を施行した408例の局所再発について, 後方視的に検討した。観察期間の中央値は73ヵ月で, 局所再発は18例に認め, 10年間の局所再発率は8.2%であった。局所再発の部位は, 再建乳房内皮膚側が8例と最も多かった。局所再発の発見契機は, 患者の腫瘤自覚が7例と最多で, 超音波による発見が4例であった。局所再発症例のうち4例は切除不能で薬物療法を, 14例が切除可能で手術を施行した。うち3例は再建乳房を切除した。また切除可能症例のうち局所再発により化学療法を要した症例を4例認めた。切除症例のうち, 4例で再々発をきたし, うち3例は遠隔転移であった。切除症例14例の再発からの5年無再発生存率は47.2%であった。局所再発症例の予後は不良であった。