Oncoplastic Breast Surgery
Online ISSN : 2432-4647
ISSN-L : 2432-4647
原著
C区域乳がんに対する乳房部分切除術後の乳輪・乳頭の偏位に影響を及ぼす因子の探索
田口 加奈村上 朱里西山 加那子野田 令菜亀井 義明
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2024 年 9 巻 3 号 p. 84-90

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抄録

乳房部分切除術を施行するうえで問題となるのが,がんの根治性と整容性のバランスである。
乳輪・乳頭複合体(以下NAC:nipple-areolar complex)の位置の左右差は,術後の整容性に大きく影響を及ぼすと考えられる。今回われわれは当院でC区域乳がんに対する乳房部分切除術を施行した症例を用いて,富士フイルムメディカル製SYNAPSE VINCENT®️に搭載されている乳腺MRI解析ソフトを用いて得られる腫瘍体積や腫瘍と乳房の体積比に加え,その他の臨床的因子を含めてNAC偏位を予測する指標を後方視的に検討したところ,乳房下垂の有無と腫瘍最大径(乳房超音波による測定値)・腫瘍体積・切除体積・切除 / 乳房体積比で統計学的有意差を認めた。
比較的整容性を保ちやすいC区域の乳房部分切除術でも下垂症例や切除量が大きくなることが予想される症例では,NACの位置の修正を検討する必要がある。

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© 一般社団法人 日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会
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