歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
歯牙形成とカルシウム代謝
I. 象牙質形成における45Caの電顕的オートラジオグラフィーによる研究
永井 教之R. M. FRANK
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1975 年 17 巻 1 号 p. 37-48

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抄録
45Caを使用した電顕的オートラジオグラフイーによって象牙質形成時におけるCaイオンの移送経路について検索し次のようなことを明らかにした。
歯乳頭から造歯細胞層を経由して象牙質に至るCaイオンの移送路として2つのルートが考えられる。第1の経路は歯乳頭の細胞間隙から造歯細胞間隙および予成象牙質を経て象牙質に達する直接的な場合であり, 他の経路は歯乳頭細胞から造歯細胞内を通るいわゆる細胞内経路である。後者の場合, 造歯細胞内におけるCaイオンのradioactivityはミトコンドリアとゴルジ装置で著明で, 投与後次第に増加し1時間後に最大を示していた。また45Caによる現像銀は象牙質内の歯線維で多数みられたが, dense granuleはラベルされていなかった。投与後6時間において最大のradioactivityは管間象牙質に認められ, とくにそれは琺象境界部で著明であった。
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