歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
SDS-ポリアクリルアミドゲル, 等電点電気泳動法および免疫化学的方法によるラットの顎下腺唾液と血清蛋白質成分の比較
内藤 幸雄村田 篤彦大野 正迪船曳 良一
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1979 年 21 巻 2 号 p. 377-390

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抄録

ラット顎下腺唾液の蛋白質成分の物理化学的性状およびその由来を検討するため, 電気泳動法または免疫化学的方法によって血清の蛋白質成分との異同を比較した。
SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動法で, 唾液蛋白質は分子量320, 000~6, 500の範囲に22個に分画され, このうち6個の糖蛋白質成分のみが血清蛋白質成分と相似した。唾液の総蛋白量の71.4%は分子量51, 000以下 (血清: 27.4%) の低分子量な成分であった。
等電点電気泳動法で, 唾液蛋白質は等電点3.00~9.20の範囲に25個に分画され, このうち血清蛋白質成分と等電点が一致したものは13個であった。しかし, 唾液の総蛋白量の53.8%は等電点3.80以下 (血清: 19.6%) の低い等電点の成分であった。
免疫化学的方法で, アルブミン, および未同定の3個の血清蛋白質が唾液から検出された。

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