歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
マウス顎下腺の酵素組織化学的研究
男性ホルモンおよびサイロキシン投与によるグルコース-6-リン酸脱水素酵素の局在性について
田島 義文一瀬 健二内海 順夫田隈 泰信久米川 正好
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1979 年 21 巻 2 号 p. 462-466

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抄録

男性ホルモンおよび甲状腺ホルモンによって誘導されるマウス顎下腺のグルコース-6-リン酸脱水素酵素 (glucose-6-phosphate dehydrogenase; G-6-PDH) 活性の局在性を酵素組織化学的に明らかにした。(1) 正常マウスでは鞘部に強いG-6-PDH活性が認められ, 雄では分泌細管基底側に軽度の活性がみられた。(2) 正常雌マウスに男性ホルモンを投与すると, 分泌細管部に中程度の活性が出現した。(3) サイロキシンは細管部の酵素活性を著明に誘導し, 強陽性を示した。さらに, 副腎摘出マウスにおいても同様の結果が得られ, 甲状腺ホルモンは分泌細管に直接作用していることが示唆された。
以上の結果より, これらのホルモンはいずれもマウス顎下腺分泌細管部のG -6-PDH活性を特異的に高めることが明らかとなった。

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