1982 年 24 巻 3 号 p. 746-751
辺縁性歯周炎の経過に深く関連している免疫反応を今一歩追求するためには, 口腔内細菌を認識した免疫担当細胞が, 如何なるsubpopulationあるいはsubsetのものかを知ることが重要な前提条件となる。現在, リンパ球のsubsetを詳細に免疫病理学的に判別することが可能であるので, 理論的にはこの種の検索を行うことができる。問題は, 細菌抗原に特異的に反応する免疫担当細胞の検出法にあり, これが容易であれば同一切片上でこれを解決することができる。今回, この点に着目し, Actinomyces可溶性抗原を膜透析法によってFITC標識を行い, 今後の有用性を確めた所, かなり特異度の高い螢光が, 免疫担当細胞と炎症性滲出物中にみられ, 普遍的で信頼度の高い方法と結論し得た。