歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
ラットの齲蝕病巣から分離したStreptococcus mutans血清型bの水溶性グルカン合成酵素の性状
熊田 秀文梅本 俊夫弓削 朝子津守 秀明島村 熱成武笠 英彦
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1987 年 29 巻 6 号 p. 624-632

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抄録

Streptococcus mutans RC20株 (血清型b) の培養上清から, 限外濾過, DEAE-セファロース クロマトグラフィーおよび調製用等電点電気泳動により菌体外水溶性グルカン合成酵素 (GTF-S) を精製した。精製GTF-Sの分子量は160,000±2,000, 等電点は4.5および比活性は2.3IU/mgタンパク質であった。GTF-Sのスクロースに対するKm値は4mM, 至適pHは7.0で, 30μg/ml濃度下のデキストランT10添加によるプライマー効果は認められなかった。またこの酵素がスクロースから合成するグルカンは水溶性であり, 全グルカンの構成成分は60mol%がα-1, 6結合したグルコース残基, α-1, 3結合, α-1, 3, 6分岐結合および非還元末端のグルコース残基がそれぞれ13, 15, 12mol%であった。

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