歯科基礎医学会雑誌
Print ISSN : 0385-0137
Culture conditions for efficient recovery of bacteria from infected dental root canals
Naomi AndoEtsuro HoshinoMichiko SatoKohichi KotaMasaaki Iwaku
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1989 年 31 巻 5 号 p. 603-608

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抄録
感染根管病巣の細菌の検出に適した培養条件を検討し, 現在臨床で行われている培養条件では, 多くの細菌が生育できなくなっていることを実験的に明らかにした。
嫌気グローブボックス中で感染根管を有する新鮮抜去歯 (計26歯) から採取した試料を, 11種類の培地中に接種し, 嫌気または好気的条件下で培養し比較した。その結果, BHI培地に4%の割合で血液で添加した培地 (BHI-Blood) を嫌気的に培養した場合が, 最も効率良く細菌を検出した。臨床的に半流動培地として応用する場合には, 血液の添加により培地が不透明になり, 判定がやや困難であった。このため, BHI-Bloodとほぼ同程度の細菌の検出感度を示した透明なBHI血清加培地が臨床での細菌検査に適しているという結論が得られた。
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© Japanese Association for Oral Biology
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