日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌
Online ISSN : 2188-8299
Print ISSN : 0453-4514
ISSN-L : 0453-4514
最適秤量問題
廣川 純夫涌田 和芳
著者情報
ジャーナル フリー

1989 年 32 巻 1 号 p. 56-74

詳細
抄録

本論文では、最適探索問題の1つであるにせがね鑑別問題を扱う。N個の硬貨の中に重さの異なるにせの硬貨が1個だけ隠されている。天秤により、にせがねとその軽重とを鑑別するとして、鑑別に要する秤量回数の期待値を最小にする秤量法を求める問題である。この問題を、著者らは最適秤量問題と呼ぶことにする。最適秤量問題は、ORや情報理論の分野の研究者から関心を持たれてきたが、いまだ未解決のままである。本論文では、最初に、最適秤量問題のための新しい手法を確立する。この手法は、にせがねとその軽重とを当て得る確率について着目した手法で、"確率スケルトン法"とでも呼ぶべきものである。そして、これを用いて最適秤量法を求めるアルゴリズムを提示する。以上、本論文により最適秤量問題の全容が解明される。

著者関連情報
© 1989 日本オペレーションズ・リサーチ学会
前の記事 次の記事
feedback
Top