日本オペレーションズ・リサーチ学会論文誌
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共同配送問題における費用分担
毛利 裕昭渡辺 隆裕森 雅夫久保 幹雄
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1997 年 40 巻 4 号 p. 451-465

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抄録

情報化に端を発する物流共同化が叫ばれている現在、その共同物流の費用配分は大きな共同物流の障害となっている。本論文では、物流費用のうち配送費用の費用分担に関してどうあるべきかという問題に一つの視点を与えることを目的としている。本論文では、費用配分の方法として協力ゲームの従来の伝統的な様々な解(Shapley 値、コア、仁など)によらず、Fishburn and Pollark が「巡回セールスマン問題」の費用配分に関して考えた方法の拡張を費用配分方法として提示している。この方法を採用した理由は、伝統的な解を求めるには解くべき配送路問題というNP困難な問題が顧客の増加につれ指数的に増大してしまうことによる。さらに、本論文では共同する組合の性質により賃貸費用や走行費用に対する考え方や共同による節約額の配分に種々の代替案があり、各組合の事情に応じて配分方法を取捨選択する余地があることを示唆している。

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© 1997 日本オペレーションズ・リサーチ学会
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