1984 年 9 巻 p. 37-40
低成長経済の長期的進行のなかで、建設プロジェクトを担うあらゆる事業主体にとって、事業実施の合理化・高度化を目指すことが非常に重要な課題となっている。事実、この課題をめぐって、官・民を問わず、様々なアプローチが続けられている。例えば、建設業界においては一般的な傾向として、TQC (Total Quality Control) を始めとする管理の高度化と情報処理システムの積極導入等に見られる実施のマネイジメント技術の革新を両輪としたアプローチが急速に進められている。筆者らは、このような社会的動向を踏まえ、建設事業のマネイジメントを支援する情報処理システムの構築・導入形態や方法の今日的あり方について実験的な開発研究を進めてきた。本稿ではその成果を情報システム化技術という観点から簡単にとりまとめて述べることとした。