日本都市社会学会年報
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テーマ論文
都市の競争力の源泉としての多文化主義
-ソウル市の事例-
張 元皓
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2010 年 2010 巻 28 号 p. 87-100

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抄録

 韓国は世界で人種的に最も同質な国家から多文化社会へ急激に変貌しつつある。その変化はわずか15年内外の間に起こったものであるが、多文化主義は今日韓国で最大の関心事となった。本稿では多文化社会へと向かう韓国社会について、3つの観点から検討する。まず第1に、外国人労働者、国際結婚、留学生の増加の観点から外国人人口の増加を要約する。次に、ソウル市における移民の所在地の発展状況を地図上で指摘する。最後に、100万人の外国人住民に備えるソウル市の長期的多文化政策について分析する。ソウル市の多文化政策は創造的要素を含むものであり、都市の競争力の源泉を多様な外国人の存在に求める多文化主義を志向している。しかしながら、市の計画の重点は、実際には、依然として多文化共生というよりは同化政策におかれている。本論文ではソウル市の多文化主義について概括するが、市の政策に関する評価と政策提言は依然として十分なものではない。今後ソウル市の多文化政策の影響についてさらに分析を深める必要がある。

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© 2010 日本都市社会学会
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