消化器心身医学
Online ISSN : 2188-0549
Print ISSN : 1340-8844
ISSN-L : 2188-0549
原著
精神疾患を伴うfunctional dyspepsia患者の臨床的特徴
楠 裕明畠 二郎春間 賢塚本 真知神崎 智子山下 直人本多 啓介井上 和彦眞部 紀明福嶋 真弥林田 麻美平井 伸典大澤 元保鎌田 智有塩谷 昭子
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2015 年 22 巻 1 号 p. 6-8

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抄録
総合診療科には精神疾患を伴うFD患者が多く受診するため,われわれはその臨床的特徴の把握を試みた。当科と心療科の両方を受診した精神疾患を伴うローマIIIのFD患者29例(男性9例,女性20例,中央値;38歳)を対象とした。方法は胃十二指腸運動機能検査を超音波法の4つの項目で評価し,腹部症状やうつと不安は自己記入式質問票(GSRS,HADS)を用いて評価した。【結果】精神疾患は適応障害7例,抑うつ障害5例,不安障害とパニック障害7例,身体症状症5例,双極性障害,統合失調症,神経発達障害,強迫性障害,摂食障害が各1例であった。GSRSの腹痛尺度は3.19,消化不良尺度は2.53と通常のFDより高値となり,HADSの異常は21例中10例に存在した。運動機能異常は29例中26例(89.7%)に存在し,近位胃拡張率低下が16例(55.2%)で最多であり,胃排出率低下は9例(31.0%)であった。
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© 2015 消化器心身医学研究会
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