金属を担持した活性炭を触媒とする直鎖パラフィン, 特にn-ヘキサンの逆スピルオーバー型脱水素反応について検討することを目的とし, 銅および鉄を担持した活性炭およびそれらをアルカリ金属化合物, 硫化水素で処理したものを触媒とし, 常圧400~500°CでC3-C8の直鎖パラフィンおよび特にn-ヘキサンの脱水素反応を行った。パラフィンの反応性は炭素数の増大とともに著しく上昇した。鉄担持活性炭では分解反応が促進されたが, 硫化水素処理, アルカリ化合物の添加, 銅との合金化によって分解を禁止し得た。アルカリ金属化合物を添加した触媒は, 単なる逆スピルオーバー型以外の原因で反応を促進するものと推定された。