タールサンドビチューメンの構造パラメーターと平均構造モデル

抄録

アサバスカ, コールドレーク, オリノコの3種のタールサンドビチューメン, それらの減圧軽油,減圧残油, 減圧残油の分別物の¹Hおよび¹³C-NMRスペクトルを測定し, それぞれからより妥当な平均構造パラメーターを選んで算出し, 平均構造モデルを提出した。対応する石油留分と比較すると, タールサンドビチューメンに含まれるアルキル直鎖は短かく, 脂環式構造に富むことが明らかとなった。この傾向は減圧軽油等の軽質成分において特に顕著で, 減圧残油等の重質成分では, 構造的特徴が石油のそれに近づいた。