石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
1Hおよび13C NMRによる水素化分解生成油の構造解析
山本 洋次郎
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1984 年 27 巻 3 号 p. 193-198

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抄録

重質油水素化分解生成油について, 1H核および13C核のスピン-格子緩和時間 (T1) を測定し, NMRスペクトルの定量性を調べた上で, 1H-および13C-NMRデータを併用する構造解析法を検討した。その結果, Brown-Ladner法に代表される1H-NMR法のように, 仮定を設けることなく正確に芳香族性指数 (fa), 芳香環縮合度指数 (CP/CA), 置換指数 (σ) 等の構造パラメーターを求めることができた。水素化分解生成油は常圧残油に比べて, ヘテロ原子やナフテン環が極めて少ないので正確に構造解析できることが明らかになった。水素化分解生成油の芳香族水素や芳香族炭素のT1は常圧残油に比べて長いことがわかった。

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