石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
水素供与体存在下における多環芳香族炭化水素の接触水素化分解 (第1報)
オートクレーブ反応器による各種触媒の活性試験
菊地 英一柴原 伸郎角田 淳森田 義郎
著者情報
ジャーナル フリー

1984 年 27 巻 4 号 p. 369-372

詳細
抄録

オートクレーブ反応器を用いてテトラリン存在下でフェナントレンの水素化分解を行い, テトラリンからフェナントレンへの水素移行を促進する触媒の探索を行った。溶融塩触媒ではTiCl3が最も高活性であったが, 十分な活性ではなかった。分子状水素の解離吸着能を有する金属触媒ではニッケルがテトラリンの脱水素を促進したが, フェナントレンへの水素移行は促進せず, 本反応には不適当であった。固体酸触媒ではLaY触媒が試験した全触媒中で最も高い活性を示し, フェナントレン転化率は83.8%に達した。LaY触媒上ではフェナントレンの水素化および開環反応がテトラリンからの水素移行により効率よく進んだ。

著者関連情報
© 公益社団法人石油学会
前の記事
feedback
Top