石油学会誌
Print ISSN : 0582-4664
電気化学的方法を用いた水-空気-固体粒子系湿潤粉体の混合状態の測定法
上和野 満雄上ノ山 周川口 洋一
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1995 年 38 巻 5 号 p. 311-317

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抄録

ねっかにおける湿潤粉粒体の混合状態を評価する場合, 固気液各相の存在比率を定量的に把握する必要がある。従来, 三相にわたる湿潤粉粒体の混合状態を含有する水分量によって Dry, Pendular (懸垂域), Funicular I, II (索状域), Capillaly, Slurly の各領域に区分する方法が提案されている。そこで, 著者らは一定の径を持つガラスビーズをモデル粉体として, 粉体表面の水分量を調製し, 各領域について交流法を用いた電気化学的方法により, 電気伝導率, ならびに誘電率を測定した。その結果より, 含水率に対しそれらの値はシグモイド曲線を描き, この曲線の各位置が上記の各領域における混合状態に対応するものと考えられることを確認した。一方, 低含水量の領域すなわち, Dry を含む湿潤粉体について Cole-Cole プロットを測定し, 各領域で描かれた曲線の形状の違いから, Dry, Pendular, Funicular 領域を良好に識別できることを見い出した。ついで, 実粉体について本測定法を適用したところ, 2相系の Dry から3相系にわたる湿潤粉体の Pendular から Slurry に至る六つの混合状態が推定可能であることが分かった。

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