1999 年 42 巻 6 号 p. 383-391
室温大気圧の条件下, アルゴンおよび窒素気流中, 誘電体バリヤー放電低温プラズマ反応器によるメタンのC2, C3炭化水素への低重合反応と水素への二酸化炭素改質反応について検討した。これらの反応における転化率および選択率は反応物の濃度と混合比に著しく依存した。また, アルゴンおよび窒素気流中のこれらの反応は, 印加電圧がそれぞれの破壊電圧である約1および2kV以上で進行した。さらに, アルゴン励起に起因する発光スペクトル強度は反応物濃度の増加とともに急激に減少した。これらの事実から, アルゴン励起種から反応分子へのエネルギー遷移により反応が進行することが解明された。また, 本プラズマ反応器のこの改質反応におけるエネルギー効率は印加電圧の低下とともに上昇した。